町辻
まちつじ
名詞
標準
文例 · 用例
町辻でうめき、酒場でうめきしてゐるそのうめき声にひとりで節が乗つてとう/\人間のうめきの全幅の諧調を会得するやうになつたのだ。
— 岡本かの子 『ダミア』 青空文庫
町辻でうめき酒場でうめきしているそのうめき声にひとりで節が乗ってとうとう人間のうめきの全幅の諧調を会得するようになったのだ。
— 岡本かの子 『巴里の唄うたい』 青空文庫
私はまた、日本の田舎の町辻にある涎掛けをかけた石の地蔵とか、柳の落葉をかぶっている馬頭観音とかいうものの姿が、直ぐ其処らにでも見当るような親しさで、胸に思い出して居た。
— 岡本かの子 『褐色の求道』 青空文庫
一度は、丁度さしかかった町辻の郵便局へ、爆弾が落ちた。
— 海野十三 『英本土上陸戦の前夜』 青空文庫
彼はいう、「町がバスクを祝うときには、前もって新しい衣服や新しい鍋、壺、その他の家庭用具や家具を用意したうえ、着古した着物やそのほかのがらくたをあつめ、各自の家や町辻や町全体から不浄を掃き浄め、残っている穀物その他の手持ち食料とともに一つの大きな山に積み、火をかけて焼いてしまう。
— WALDEN, OR LIFE IN THE WOODS 『森の生活――ウォールデン――』 青空文庫
かの雷横は、「母上、ただいま帰りました」 と、※城県のわが家に入るやいな、まず老母の室をみまい、あくる日はさっそく、県役所へ出て、出張先の要務を復命し、これでやっと、いささか身軽となった夕心地を、町辻の風に吹かれながら戻って来た。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
太夫元の白玉喬は、裸足でとび出して来たが、娘の死骸を見るや、号泣して、何か、あふ、あふ……とわけのわからぬことを口走りながら県役署の方へ素ッ飛んで行き、町辻という町辻は、すべてこの噂で宵も夜半も持ちきりになってしまった。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
思わず余談を」 犬千代は、鞍上にもどって、「では、馬揃いで」「おう、後刻」 ふたりは、そこの町辻を、裏と表へ駈けわかれた。
— 第二分冊 『新書太閤記』 青空文庫