御河童
おかっぱ
名詞
標準
文例 · 用例
オカッパにウエーヴをかけない支那女学生が三四人、巧いフランス語で話し合っている。
— ――朝と昼―― 『巴里のキャフェ』 青空文庫
もう少し月の光が強かったら、この房々としたオカッパの頭髪が、黄金のように光るだろう――と思えた。
— 蘭郁二郎 『夢鬼』 青空文庫
水浅黄の服で、オカッパの頭で、車窓から片手を出し、いつまでも扇でバイバイをして居る姿、小さく、ミーラヤ〔かわいい〕に見えた。
— 一九二七年(昭和二年) 『日記』 青空文庫
顔を洗う、オカッパになるとこんなに頭を洗うのがよい心持なものかとびっくりした。
— 一九二八年(昭和三年) 『日記』 青空文庫
」「ああ」「この写真、誰がとったのかしらん」 オーリャは、紺の上被りの結びめが可愛くつったってるオカッパの背中をかがめて、シゲシゲ写真を見た。
— 宮本百合子 『ズラかった信吉』 青空文庫
オカッパの髪を包んだ赤い布の片方の端を上被りの肩へ垂らし、鑢へ調子つけてかかりながら、心持眉をよせるようにして軽く唇を噛んでる。
— 宮本百合子 『ズラかった信吉』 青空文庫
「今朝は何ともなっていなかったわねえ」「うん、出がけには気がつかなかったわ」 板橋の上へ並んで子供らは驚きを顔に現し目を大きくして見ていたが、タミノに手をひかれていた袖子がいきなり、オカッパをふり上げて叫んだ。
— 宮本百合子 『乳房』 青空文庫
やや暫く二郎はそうやって眺め、袖子は、目をつっつきそうに伸びすぎて剽悍に見える黒いオカッパの下から、時々真面目くさった視線で二郎の方を見ながら、運動をつづけているのであったが、やがて二郎が、ぶっきら棒に、「ヤーイ、名なしの工場なんて、ないや」と云った。
— 宮本百合子 『乳房』 青空文庫