耽味
耽味
名詞
標準
文例 · 用例
水際の猫楊の花が鵞毛のように水上を飛ぶ風景と、端麗神姫に似た山女魚の姿を眼に描けば、耽味の奢り舌に蘇りきたるを禁じ得ないのである。
— 佐藤垢石 『雪代山女魚』 青空文庫
必要と好厭は、動物の世界にある共通の事実だが食品を耽味するという道楽は、人間ばかりが持っている奢りらしい。
— 佐藤垢石 『香魚と水質』 青空文庫
新秋の爽涼、肌を慰むるこの頃、俄に耽味の奢りが、舌端によみがえりきたるを覚える。
— 佐藤垢石 『香魚と水質』 青空文庫
これ即ち、今晩の呼び物であったかと推察し、箸につまんで口中へ放り込み、つぶさに奥歯と舌端で耽味したのであったが、これはまたほんとうに何の味も素っ気もないものであった。
— 佐藤垢石 『たぬき汁』 青空文庫
私は流れに沿った一室に綿の入った褞袍にくるまり、小杯を相手として静かに鰍の漿を耽味したのであった。
— 佐藤垢石 『姫柚子の讃』 青空文庫
僕等は、額からも胸からもしたたり落ちる汗を拭いながら、熱い佳饌を飽喫耽味した。
— 佐藤垢石 『鯨を釣る』 青空文庫