切れ口
きれくち
名詞
標準
cut end
文例 · 用例
池のつづまる、この板を置いた切れ口は、ものの五歩はない。
— 泉鏡花 『海の使者』 青空文庫
あらゆるものの輪郭は割れたガラスの切れ口のようにはっきりとしている。
— RED BRIDAL 『赤い婚礼』 青空文庫
ルイザは引き裂かれた寝衣の切れ口から露わな肩を出して倒れていた。
— 横光利一 『ナポレオンと田虫』 青空文庫
どこもかしこも、炎天のほこりを浴びたこの町の辻で、わずかに一滴の湿りを点じたものがあるとすれば、それはこの蛇の切れ口から出た、なまぐさい腐れ水ばかりであろう。
— 芥川龍之介 『偸盗』 青空文庫
翌朝夜が明けてから、その幽霊が気にかかり、早速起きて隣の室に行き、この辺りなりと思った障子を探り見れば、あに計らんや、戸骨の間に紙の破れた所があって、その切れ口が風のために内の方へ吹き込まれたのを横より眺めて、人の顔と誤りたることが分かった。
— 井上円了 『おばけの正体』 青空文庫
お茶……それもそうだな……」 ラスコーリニコフは、コップの茶を一口がぶりと飲んで、パンを一切れ口へ入れた。
— フョードル・ミハイロヴィッチ・ドストエフスキー 『罪と罰』 青空文庫
西岡新田の麦畑、同村福地八郎の家宅、同村堤防切れ口の湖等の惨状が、会衆にふかい感銘を与え、控室に顔をだして「私も明日から運動に参加して働きます」と申しこむ者もあった。
— 大鹿卓 『渡良瀬川』 青空文庫
二重に巻いた腹巻を、刃味も凄くタテに裂いた剃刀の切れ口。
— 上方の巻 『鳴門秘帖』 青空文庫