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片羽

かたは
名詞
1
標準
文例 · 用例
二ツ三ツ片羽羽たたきたれど、早や弱り果てたる状なり。
泉鏡花 照葉狂言 青空文庫
そこここに、低い、片羽のような、病気らしい灌木が、伸びようとして伸びずにいる。
太宰治 女の決闘 青空文庫
頭上に開いていた北窓には、窓の閾まで日光を遮断する、樺色の日覆が来る日も来る日も拡げた蝙蝠の片羽のかたちで垂れさがっていた。
鷹野つぎ 青空文庫
そんな風で名を知って物を知らぬ片羽になった。
森鴎外 サフラン 青空文庫
「わたしはお前を片羽に産んだ覚えはない」と、憤慨に堪えないような口気で仰ゃる。
森鴎外 ヰタ・セクスアリス 青空文庫
父も小さいとき疱瘡をして片目になっているのに、また仲平が同じ片羽になったのを思えば、「偶然」というものも残酷なものだと言うほかない。
森鴎外 安井夫人 青空文庫
がつくりと片羽が折れたやうになつた大鶴は、そのままもんどり打つて投げつけられたやうに下に落ちて来たが、地べたからすれすれのところで巧に立ち直つたかと思ふと、急にまた元気よく傷つけられた片羽をばたばたさせながら、西南の方角をさして落ちのびて往つた。
薄田泣菫 独楽園 青空文庫
金翅鳥片羽九万八千里、海上に出でて龍を食う――その大気魄に則って、命名した所の「五点之次第」で更に詳しく述べる時は、敵の刀を宙へ刎ね、自刀セメルの位置を以て、敵の真胴を輪切るのであった。
直木三十五 大衆文芸作法 青空文庫