幻辞.com

白鞘

しらさや
名詞
1
標準
文例 · 用例
かねて国手の事を俺|嗅ぎつけて知っとったで、お孝を威しつけてくりょうとな、前の夜さり、懐中に秘いておったですれども、顔を見ると、だらけて、はや、腑が抜けて、そのまんま、蒲団の下へ突込んで置いた、白鞘の短刀が転がって出たですが。
泉鏡花 日本橋 青空文庫
其の眞中の蓋の上に…… 恁う仰々しく言出すと、仇の髑髏か、毒藥の瓶か、と驚かれよう、眞個の事を言ひませう、さしたる儀でない、紫の切を掛けたなりで、一|尺三|寸、一口の白鞘ものの刀がある。
泉鏡太郎 印度更紗 青空文庫
――港で待つよ―― 時に立窘みつゝ、白鞘に思はず手を掛けて、以ての外かな、怪異なるものどもの擧動を屹と視た夫人が、忘れたやうに、柄をしなやかに袖に捲いて、するりと帶に落して、片手におくれ毛を拂ひもあへず……頷いて……莞爾した。
泉鏡太郎 印度更紗 青空文庫
徐大盡、赫と成り、床の間に、これも自慢の、贋物らしい白鞘を、うんと拔いて、ふら/\と突懸る、と、畫師又身を飜して、畫の中へ、ふいと入り、柳の下の潛り門から、男振りの佳い顏を出して、莞爾として、「然やうなら。
泉鏡太郎 畫の裡 青空文庫
其の真中の蓋の上に…… 恁う仰々しく言出すと、仇の髑髏か、毒薬の瓶か、と驚かれよう、真個の事を言ひませう、さしたる儀でない、紫の切を掛けたなりで、一|尺三|寸、一口の白鞘ものの刀がある。
泉鏡花 印度更紗 青空文庫
――港で待つよ―― 時に立窘みつゝ、白鞘に思はず手を掛けて、以ての外かな、怪異なるものどもの挙動を屹と視た夫人が、忘れたやうに、柄をしなやかに袖に捲いて、するりと帯に落して、片手におくれ毛を払ひもあへず……頷いて……莞爾した。
泉鏡花 印度更紗 青空文庫
そして甥が行李の底に収っていた白鞘の短刀を捜したが、それは見つからなくて、代りに笹村が大切に保存していたある人の手蹟を留めた唐扇などが出て来た。
徳田秋声 青空文庫
お蝶の傍には、佐野さんが自分の頸を深く※った、白鞘の短刀の柄を握って死んでいた。
森鴎外 心中 青空文庫