黙家
もくや
名詞
標準
文例 · 用例
彼は沈黙家で色青白く常に恐ろしくメランコリツクな顔つきをして居た。
— 村山槐多 『殺人行者』 青空文庫
* 従弟の峻もまた、甚だしい沈黙家で、最初の「ではどうぞ!
— 佐左木俊郎 『秋草の顆』 青空文庫
雨蛙は聞えた独唱家ですが、蝸牛はまた風がはりな沈黙家です。
— 薄田淳介 『若葉の雨』 青空文庫
沈黙家で石のやうに手堅い生れつきであつた。
— 薄田泣菫 『幽霊の芝居見』 青空文庫
伊勢は寂照寺の画僧|月僊は乞食月僊と言はれて、幾万といふ潤筆料を蓄め込んだ坊さんだが、その弟子に谷口月窓といふ男がゐて、沈黙家で石のやうに手堅い性れつきであつた。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
沈黙家ではあつたが、世間並に母親が一人あつた。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
「近頃芸者々々と他が言ふから、世間が変つて来たのでさうもするものかと思つて、服部さんや村野滝川さん達を、別荘に招待する尋でに、ついやつてみたばかしだがね、矢つ張果樹園の方が好いやうだ、妓は喧しくつてね……」 成程林檎は沈黙家だが、芸者はよくお喋舌をする。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫
人間に判らぬ事は、神様や狐に聞くべきで、神様が名代の沈黙家である以上、狐にでも聞かなければ仕方がない。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫