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顕出

けんしゅつ
名詞
1
標準
文例 · 用例
幕府は無力を暴露し、諸藩が勢力の割拠はさながら戦国を見るような時代を顕出した。
第一部下 夜明け前 青空文庫
それらの手合いは自称浪士の輩と共に市中を横行し、あだかも押し借り強盗にもひとしい所行に及び、ひどいのになると白昼人家の門を破って住民を脅迫するやら、掠奪をほしいままにするやら、ほとんど一時は無統治、無警察の時代を顕出したことを告げた。
第二部上 夜明け前 青空文庫
水戸ほど苦しい抗争を続けた藩もなく、また維新直後にそれほど恐怖時代を顕出した地方もめずらしいと言われる。
第二部上 夜明け前 青空文庫
浅草は今では活動写真館が軒を並べてイルミネーションを輝かし、地震で全滅しても忽ち復興し、十二階が崩壊しても階下に巣喰った白首は依然隠顕出没して災後の新らしい都会の最も低級な享楽を提供している。
――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 淡島椿岳 青空文庫
その羅ものの底から、体のうら若い、敏捷な態度が、隠顕出没して、秘密げに解け流れる裸形になつて見えるやうである。
XANTHIS クサンチス 青空文庫
「さあ、こんなことをする奴が、指紋を残すようなへまをやりますかね……顕出すればあなたの指紋か笹田君の指紋が出て来るのが落ちじやないですかな」 藤枝はこう云いながら急に私をうながして立ち上つた。
浜尾四郎 殺人鬼 青空文庫
が、やがて奪回して見せる)       * 大塔宮様が熊野方面に落ち、楠正成が河内摂津の間に、隠顕出没して再挙を計るべく、赤坂の城をこうして開いたのは、元弘元年十月の、二十一日のことであった。
国枝史郎 赤坂城の謀略 青空文庫
小説を書いてゆく、腕でかくのでなくて、自分の肉身からかいてゆくと、そこに何と面白く、複雑な錯綜も顕出して来ることでしょう。
一九四〇年(昭和十五年) 獄中への手紙 青空文庫