蕣
蕣
名詞
標準
文例 · 用例
だが、秋の七草に含まれる朝顔は夏の朝咲くいはゆる朝顔――これを古字にすれば牽牛子又は蕣花と書く――ばかりではなく、木槿と桔梗をも総称してのものである。
— 岡本かの子 『秋の七草に添へて』 青空文庫
江戸書画角力は相識の貌もあり、此|蕣角力は名のりを見てもしらぬ花にてをかしからず候。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
この蕣は両地一度也。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
「この蕣は両地共一度也。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
目下春期にして、椿花桃花を見ると同時に藤花蕣花を見、昼間蝉吟を聞きて、夜中虫声を聴くもまた奇ならずや。
— 井上円了 『南半球五万哩』 青空文庫
蕣の字音はシュンである。
— 牧野富太郎 『植物一日一題』 青空文庫
世間往々よくこの字をかの花を賞する Pharbitis Nil Choisy のアサガオだとして用いる人があるが、それはもとより間違いで、この蕣は木槿すなわちムクゲの一名であり、かの『詩経』には「顔如蕣華」とある。
— 牧野富太郎 『植物一日一題』 青空文庫
和名集〔牧野いう、集は抄〕云、本草云、売子木和名賀波知佐乃木此も此木の事にやと解し、また山萵苣は木なるを此処に置は萵苣の名に依てか、例せば和名集〔牧野いう、集は抄〕に蕣を蓮類に入れたるが如しとも述べている。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫