荘地
しょうち
名詞
標準
文例 · 用例
彼は、汽車の窓から見た湘南のうらゝかな別荘地を思い浮べた。
— 黒島傳治 『土鼠と落盤』 青空文庫
二 とんぼ 八月初旬のある日の夕方|信州星野温泉のうしろの丘に散点する別荘地を散歩していた。
— 寺田寅彦 『三斜晶系』 青空文庫
そこは大阪と神戸とのあいだにある美しい海岸の別荘地で、白砂青松といった明るい新開の別荘地であった。
— 徳田秋声 『蒼白い月』 青空文庫
この海岸も、煤煙の都が必然|展けてゆかなければならぬ郊外の住宅地もしくは別荘地の一つであった。
— 徳田秋声 『蒼白い月』 青空文庫
やうやく沓掛に着く、別荘地らしい風景である。
— 種田山頭火 『旅日記』 青空文庫
光尚は鉄砲十挺を預けて、「創が根治するように湯治がしたくばいたせ、また府外に別荘地をつかわすから、場所を望め」と言った。
— 森鴎外 『阿部一族』 青空文庫
根岸といえば鶯の名所のようにも思われ、いわゆる「同じ垣根の幾曲り」の別荘地を忍ばせるのであるが、根岸が風雅の里として栄えたのは、文化文政時代から天保初年が尤も盛りで、水野閣老の天保改革の際に、奢侈を矯正する趣意から武家町人らの百姓地に住むことが禁止された。
— 河豚太鼓 『半七捕物帳』 青空文庫
「危いですよ、そんな……」青年は、もう別荘地の道に出るので、夫人の無謀を制しようとすると、夫人はわざと一鞭くれた。
— 菊池寛 『貞操問答』 青空文庫