滲み込む
にじみこむ
動詞
標準
文例 · 用例
きたないやうだが、身に滲み込むやうなにほひで、黒い物から出るのか、それとも、吐き出されたそれを受けるあか金から出るのか、分らなかつた。
— 毒藥を飮む女 『泡鳴五部作』 青空文庫
――「全く同じ動作を何辺か繰返してゐるうちに、雨戸の隙間から蒼白い明りが滲み込むだのに気付くと、彼はホツとして、その勢ひで起きあがる。
— 牧野信一 『眠い一日』 青空文庫
人目が無かったなら、せめて胸へでも縋ったなら、このいろいろの胸の中の思いが、夫の身体へ滲み込むだろうと思えた。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
そして、そのA液は滲み込むと、爆発するのかね」「いいや、A液だけでは、爆発はしないのだ。
— ――金博士シリーズ・4―― 『今昔ばなし抱合兵団』 青空文庫
思い切って水に浸っているうちに、不思議なもので、お豊は何とも知れない心強さを感じてくるのであります――この冷たい水の中に、尤もまだ秋のはじめで、水が苦になる時でないとはいえ、今までの怖ろしかった心が、だんだんに消えて行って、水の肌に滲み込む気持が何とも言えぬ清々しさになってゆくのでありました。
— 竜神の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
そしてその恐ろしい液体は傷の中に滲み込むのだ。
— STORY-BOOK OF SCIENCE 『科学の不思議』 青空文庫
その思想の意味しているところの物をわれわれが会得する以前に、まずそれは我々の肉に滲み込む。
— VIE DE BEETHOVEN 『ベートーヴェンの生涯』 青空文庫
しかし、この会社の技術者であるクウィック氏が教えてくれたことによると、乾燥した天気が長く続くと潮水は遠くまで滲み込むとのことであった。
— ON THE MODE OF COMMUNICATION OF CHOLERA (1854) 『コレラの伝染様式について』 青空文庫