サイホン
さいほん
名詞
標準
文例 · 用例
葡萄園を葭簀で圍ツて氷店にして、氷をかく臺もあればサイホンの瓶も三四本見えた。
— 三島霜川 『昔の女』 青空文庫
汽車の中で炭を焚いて死に損なったり、貨車へ乗って、カンテラを点けて用を足そうとすると、そのカンテラが揺ぶれてすぐ消えてしまったり、サイホンを呑むと二三滴口へ這入るだけであとはすぐ氷の棒に変化したり、すべてが探険と同様であった。
— 夏目漱石 『満韓ところどころ』 青空文庫
柳河のたつたひとつの遊女屋に薊が生え、住む人もないがらんどうの三階からきりきりと繰り下ぐる氷水の硝子杯、お代りに、ラムネに、サイホン、こほろぎも欄干に。
— 北原白秋 『思ひ出 抒情小曲集』 青空文庫
水道の断水とともにさっそく濾過装置を設け、タンクからサイホン仕掛けで下へ垂れると同量の水を注入することにしたのだから、自働式に間断なく清澄な濾し水が出来ることとなった。
— 喜田貞吉 『震災日誌』 青空文庫