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投げ掛け

なげかけ
名詞
1
標準
文例 · 用例
岩は鋼鉄のように硬くなりながらも、イワベンケイ、ミヤマダイコンソウ、ムカゴトラノオなど、黄紫のやさしい花を、点々とその窪洞に填めながら、ギザギザに尖っている輪廓を、無数に空に投げ掛けている。
小島烏水 白峰山脈縦断記 青空文庫
そして、けばけばしい日光の反射が疼くやうに網膜を差すのに眼を細めながら、ひよいとあたりを見※した時、私はお前の病室の窓際の椅子に身を投げ掛けてゐたのだつた。
南部修太郎 疑惑 青空文庫
イイミヤ、さうだ、イイミヤだ……」と、同時に醉ひどれ男は遠くから私の方にちらつと視線を投げ掛けて、聲高く口走つた。
南部修太郎 霧の夜に 青空文庫
台の上には緋の天鵞絨に金糸の繍ある立派なる帛を投げ掛けあり。
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 家常茶飯 青空文庫
……生意気盛りが、我慢も意地も無いまでに、身を投げ掛けたは、よくせき、と清葉はしみじみ可哀に思った。
泉鏡花 日本橋 青空文庫
四十「ああ、天窓が重い、胸が痛い、体中がふらふらする、もう寝ようや、」 蝶吉は枕を竝べて、着たまま横になって裾を伸ばして、爪先を包んだが、玉のような腕を人形の掻巻の上へ投げ掛けて、ぴったり寄って頬を差寄せ、「坊や、ちょいと、どうしたの、お母ちゃんは可けなくッてよ、すっかりお花を引いて負けて来たわ。
泉鏡花 湯島詣 青空文庫
オレが世間様に向けて投げ掛けたメッセージは、一般書からの撤退という旺文社の方針変更によって、あわれデスクトップのゴミ箱直行となった。
富田倫生 青空のリスタート 青空文庫
渠は隣なる亭に歩み入り、長椅に身を投げ掛けて、微かに口笛を鳴し居たり。
IMPROVISATOREN 即興詩人 青空文庫