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鉢型

はちがた
名詞
1
標準
文例 · 用例
それは、直径五寸ばかりの鉢型をしたもので、堆状の火山型をした残蝋が鉄芯の受金を火口底のようにして盛り上っている。
小栗虫太郎 聖アレキセイ寺院の惨劇 青空文庫
三方を丘にとりかこまれた擂鉢型の小さな村で丘は雛段のやうに桃の花に飾られ、村一帯が静かな日溜りになつてゐた。
牧野信一 陽に酔つた風景 青空文庫
公園は大名屋敷の名残りの小さな庭で、擂鉢型に傾きよった樹の底に、細長い人工を加えぬ沼があり、その周囲に雑草の乱れた小径が見えて、市中の公園には稀な都びた趣きの、人を待つにふさわしい目立たぬ場所だった。
横光利一 旅愁 青空文庫
――水々しい光りが、擂鉢型の丘にとり巻かれた盆地の競場場に八方から降りそゝぐ滝のやうに集中して、キラキラと渦を巻いてゐる上に、その水煙りに似た陽りを蹴散らして魚のやうに飛び回つてゐるので、何れが誰れやら男達の眼には一向区別もつかなかつた。
牧野信一 南風譜 青空文庫
鉢型の盆地で、丘の上から見降す具合の馬場であつた。
牧野信一 ダイアナの馬 青空文庫
直径五百メートルのこの火口は、正しい摺鉢型をして、底に赤褐色の水を少し湛えている。
豊島与志雄 高千穂に思う 青空文庫
この釣り場の川底はスリ鉢型の窪みがいくつかあつて、この窪みの深さは十尺以上で、それが幾つもあり濁つてゐるから探すのが大変な苦労である。
坂口安吾 ぐうたら戦記 青空文庫
めいめいの前には、擂鉢型の浅い灰色の鉢に、一本の擂古木をそえたのが一つずつ置いてある。
第一部 次郎物語 青空文庫