沼池
しょうち
名詞
標準
文例 · 用例
しかし翌二十九日は、冬には希な大雨が降り続いて、沼池の水が溢れた。
— 菊池寛 『恩を返す話』 青空文庫
曩には専ら田園の趣味を伝えしもの、這度は山野に則り、忽ちにして森林、忽ちにして沼池、一径尽くるところ橋ありて通じ、湖海ひろがるところ丘陵峙つの概、かれらの理想説は如此にしてものされ、かれらの自然観は如此にして説明さるるのである。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
十三 上来の事件とほぼ時間を同じうして、距離に於ては向う岸の渡頭から南へ一里余を隔てた、追波川が湾入して、大きな沼池をなしているところの荒れ果てた石小屋の中の、一方へ空俵を重ねて、その上へ毛布を敷きこんで、寝そべっている若い女の子がありました。
— 恐山の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
ただ江湖沼池のいたるところに存し、麦田の間に雨水の滞留するを見る。
— 井上円了 『西航日録』 青空文庫
貂は戸口の前の沼池からしのび出て岸の蛙をつかまえる。
— WALDEN, OR LIFE IN THE WOODS 『森の生活――ウォールデン――』 青空文庫
緑なす毒の沼池を照す血色の月。
— 仏蘭西近代抒情詩選 『珊瑚集』 青空文庫
七條停車場から少しゆくと沼池になり、そこにある茅や蘆の枯れたまま林立してゐるのは、立派な繪を畫いて見せ、枯れ穗の美しさは色といひ淋しさといひ、無類であつた。
— 室生犀星 『京洛日記』 青空文庫
葭原、大平を過ぎて、二股から一里許りの沼池に着く。
— 木暮理太郎 『白馬岳』 青空文庫