恠
恠
名詞
標準
文例 · 用例
五日、癸卯、霽、鶴岳の別当公暁、宮寺に参籠して、更に退出せられず、数ヶの祈請を致され、都て以て除髪の儀無し、人之を恠しむ、又白河左衛門尉義典を以て、大神宮に奉幣せんが為、進発せしむ、其外諸社に使節を立てらるるの由、今日御所中に披露すと云々。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
」小森はさうやつて頻繁に遊びまはる自分を恠しみながら、やつぱり遊び癖がついてしまつた。
— 徳田秋聲 『女流作家』 青空文庫
この時|参詣に来合せたものは、初何事かと恠み、ようよう籤引の意味を知って、皆ひどく感動し、中には泣いているものもある。
— 森鴎外 『堺事件』 青空文庫
十一 狐妖 音楽家のS君が来て、狐の軍人という恠談を話して聞かせた。
— 岡本綺堂 『二階から』 青空文庫
は恠みながらその声をしるべにしてあがって往くと、大きな洞門があって、その前の花の咲き乱れた木の下で、数十人の美女が蝶の舞うように歌い戯れていた。
— 田中貢太郎 『美女を盗む鬼神』 青空文庫
「出来た出来た、長竿恠」 皆が手を叩いて囃したてた。
— 田中貢太郎 『太虚司法伝』 青空文庫
店に羊頭を掛けてその肉を売らんというものあり、客入りてこれを需むればこれに狗肉を与う、知らざる者は見て羊肉となし、しかして恠しまず、世間政論を業とする者これに類すること多し。
— 陸羯南 『近時政論考』 青空文庫
儒道仏教の容易に移流したるは何ぞ恠しむに足らん。
— 陸羯南 『近時政論考』 青空文庫