荒れ寺
あれでら
名詞
標準
dilapidated temple
文例 · 用例
「成程、ひどい荒れ寺だな」と、松吉は傾きかかった門を見あげながら云った。
— 十五夜御用心 『半七捕物帳』 青空文庫
この寺は昔、今川義元公が戦死者の菩提のために、わざと風景のよい山の中腹に建てられたもので、寺領も沢山に附いておったが、その後、信長公、秀吉公、東照宮様と代が変って来るうちに、その寺領もなくなり、久しく無住の荒れ寺となって、妖怪が出るというような噂まで立っていた。
— 夢野久作 『名娼満月』 青空文庫
そうした荒れ寺の一軒、老杉の、昼も暗く茂った下かげに、壁すら落ちて、その破れ目からすさまじい初冬の月も差し込みそうなのが、鉄心庵―― 前住が建てて、四十年あまり、谷中で鉄心といえば、この世の者でないほどの脱俗ぶり。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
「ほ、ほ、ほ――膝をくずさないところは、さすが、お庵主さまだねえ――ほ、ほ、ほ」「は、は、どうも、姐御は、口がわるいよ」 不思議な男女、荒れ寺のあなぐらで、この初冬の夜を飲みあかそうと、献しつ押えつ、献酬がはじまった。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
奴等は荒れ屋敷、荒れ寺を目あてにして、今夜の陣を張っているのだ。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
何でも、川向うの荒れ寺で、何かたくらんでいるところを、役向きに乗りこまれ、すんでに危うかったとは聴き知ったが、勿論素早いお初、まんまと捕ものの網の目を潜って、行方知れず―― これだけのことを探り出したのが、あれから今日までの、やっと、収穫だ。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
それは今にも化けそうな荒れ寺であった。
— 海野十三 『千早館の迷路』 青空文庫
彼はさる荒れ寺の、半ば朽ち歪んだお堂の縁に腰を下して柱を背にうつつなく眠っていた彼自身を見出していた。
— 橋本五郎 『自殺を買う話』 青空文庫
作例 · 標準
私は毎日荒れ寺について考えている。
荒れ寺という言葉は日本語で重要だ。
彼は荒れ寺の意味を理解している。
この文には荒れ寺が含まれている。