黒札
くろふだ
名詞
標準
kurofuda (type of Japanese playing cards)
文例 · 用例
すぐ上り口に校長室と白い字で書いた黒札のさがったばらで仕切られた室がありそれから廊下もあります。
— 宮沢賢治 『茨海小学校』 青空文庫
ある時来客がその噂を聞いて能勢の黒札を狸が怖がる話をすると、いつの間にか後の障子に、「黒札こわくない」と書いてゐたさうだ。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
そこを通って、綺麗に真鍮の磨かれた階段をいくつか登ると、傍聴券検査所と黒札の下ったところへ入った。
— 宮本百合子 『待呆け議会風景』 青空文庫
和泉町の能勢様というのは、四千八百石の旗本で、そのお屋敷のうちにお稲荷様があって、そのお稲荷様から能勢の黒札というお札が出る。
— 黒業白業の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
私は、ひとしお、ひしと火桶を身に引き寄せては「野瀬の黒札、寄席の引き札、湯やの半札」と、可笑しき「安産」のとりあげ婆が、果てしなき札づくしを、そんな時、何にも換えがたく聞き入るのだった。
— 正岡容 『随筆 寄席風俗』 青空文庫
黒札を嫌うことはないのさ。
— A. キングスフォード A. Kingsford 『夢日記』 青空文庫
やっぱりふくろふだったのです。
— 宮沢賢治 『二十六夜』 青空文庫
ふくろふほう、ほう、ごろすけほう、ほう、なに鳥でせうかと誰かがいふとあれはふくろふだとみんな耳をかたむけるほう、ほう、ごろすけ、ほう、ほう、田端の奧の入梅深いばんにはほう、ほう、ごろすけほうと啼く。
— 室生犀星 『星より來れる者』 青空文庫