投げ入れ
なげいれ
名詞頻度ランク #37630 · 青空 12 例
標準
nageire
文例 · 用例
各自の望みを追うに暇のない世人は、たまに彼の萎びた掌に一片の銅貨を落す人はあっても、おそらくはそれはただ自分の心の中の慈善箱に投げ入れるに過ぎぬであろう。
— 寺田寅彦 『凩』 青空文庫
晃平が、先刻、未だ日の暮れないうち、朝飯の菜にとて、山款冬数十茎を折って来たのを、みんなして、退屈|凌ぎに、繊維を抜いては、鍋へ投げ入れる。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
城山の麓にて撞く鐘雲に響きて、屋根瓦の苔白きこの町の終より終へともの哀しげなる音の漂う様は魚住まぬ湖水の真中に石一個投げ入れたるごとし。
— 国木田独歩 『源おじ』 青空文庫
昔北欧を旅行したとき、たしかヘルシングフォルスの電車の運転手が背広で、しかも切符切りの車掌などは一人もいず、乗客は勝手に上がり口の箱の中へかねて買い置きの白銅製の切符を投げ入れていたように記憶している。
— 寺田寅彦 『破片』 青空文庫
次にチョッキの隠袋から、何か小さなものを出して、火縄でそれに点火したのを、手早く筒口から投げ入れると、半秒足らずくらいの後に、爆然と煙が迸り出て、鈍い爆音が聞える。
— 寺田寅彦 『雑記(2)』 青空文庫
いろいろの人が来ていろいろの光や影を自分の心の奥に投げ入れた。
— 寺田寅彦 『病室の花』 青空文庫
ポストにマッチの火を投げ入れて、ポストの中の郵便物を燃やして喜んでいた男があった。
— 太宰治 『誰』 青空文庫
西川一草亭の花道に関する講話の中に、投げ入れの生花がやはり元禄に始まったという事を発見しておもしろいと思った。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
作例 · 標準
生け花の稽古で、先生は繊細な投げ入れを披露した。
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客間の床の間には、野の花が投げ入れに生けられていた。
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投げ入れの花は、自然な美しさで空間を彩る。
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