落梅
らくばい
名詞
標準
fallen ume blossoms
文例 · 用例
」落梅の音 今年は梅雨前には、雨がひっきりなく降り続いたが、肝腎の梅雨に入ってからは毎日の好天気で、自分の住まっている近くの水田なども水不足で、田植が延びがちになり、宵ごとに聞く蛙の声も何となく力がなかったが、六月も末になってから雨は降り出した。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
本堂の机の上には乱れ髪、落梅集、むさし野、和尚さんが早稲田に通うころよんだというエノックアーデンの薄い本がのせられてあった。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫
二十六歳)引きつづいて翌三十一年の春出版された『一葉舟』『夏草』、第四詩集である『落梅集』などが、当時の若い人々の感情をうごかし捉えた力というものは、今日私達の想像以上のものがあったらしい。
— 宮本百合子 『藤村の文学にうつる自然』 青空文庫
明治三十二年から三十三年までの一年に編まれた『落梅集』は、実に明らかにこの詩人が、歩み進んで来た成長の道、生活の路を語っている。
— 宮本百合子 『藤村の文学にうつる自然』 青空文庫
落梅集に「枝うちかはす梅と梅」「めぐり逢ふ君やいくたび」「あゝさなり君の如くに」「思ひより思ひをたどり」その他少くない愛の詩が収録されていることも、当時のそのような事情とあわせ考えるとき、おのずから微笑ましく肯けるのである。
— 宮本百合子 『藤村の文学にうつる自然』 青空文庫
『落梅集』が詩人藤村にとって、少くとも今日までのところは最後の詩集となっている。
— 宮本百合子 『藤村の文学にうつる自然』 青空文庫
曲は落梅風だったと思うが、――」「それぎりかい?
— 芥川龍之介 『奇遇』 青空文庫
島崎藤村氏が落梅集には「常盤樹」の歌ありて、「常盤樹の枯れざるは百千の草の落つるより痛ましきかな」の悲壮声深く、恰も狭霧とざす大海のどよもしに似たりとおぼゆるに、またここには銀杏よ汝常盤樹の神の恵みの緑葉を霜に誇るに比べては何等自然の健児ぞの鉄案洵に摧き難かり。
— 蒲原有明 『泣菫氏が近業一篇を読みて』 青空文庫
作例 · 標準
庭の隅にひっそりと積もった落梅が、春の始まりを告げるほのかな香りを漂わせている。
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昨夜の雨に打たれ、地面を白く染め上げる落梅の様子もまた風情がある。
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子供たちが、古い寺の苔の上に散った落梅を宝物のように丁寧に拾い集めている。
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