渾名
あだな
名詞
標準
文例 · 用例
これについての私の調査はまだ極めて不完全であるが、私が気づいた例の中最も古いのは『落窪物語』の文であって、同書には「面白の駒」と渾名せられた兵部少輔について、「首いと長うて顔つき駒のやうにて鼻のいらゝぎたる事かぎりなし。
— 橋本進吉 『駒のいななき』 青空文庫
いたずら好きの学生達は彼に「杏仁水」という渾名を奉っていた。
— 寺田寅彦 『さまよえるユダヤ人の手記より』 青空文庫
それで人々は「馬鹿正直」という渾名を彼に与えた。
— 寺田寅彦 『アインシュタイン』 青空文庫
)の調子で響いたので、お源が気を揉んで、手を振って圧えた処へ、盤台を肩にぬいと立った魚屋は、渾名を(め組)と称える、名代の芝ッ児。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
通りが可ければと言って、渾名を名刺に書くものはない。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
出しなにまた念のために、その後、坂田と云うのは来ませんか、と聞くと、アバ大人ですか、と書生は早や渾名を覚えた。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
渾名を鮹と云って、ちょんぼりと目の丸い、額に見上げ皺の夥多しい婦で、主税が玄関に居た頃勤めた女中どん。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
)と云う標題で、西の草深のはずれ、浅間に寄った、もう郡部になろうとするとある小路を、近頃|渾名してAB横町と称える。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫