痴戯
ちぎ
名詞
標準
文例 · 用例
そして、吉原での痴戯は憚らず描かれているが、恋とはとりも直さず痴情としてみられていた時代、『文学界』の若きロマンティストたちは泰西の愛についての考えかたを主張し、封建風な低い痴れごとの観念に対抗して、男女の間にあり得るダンテ的な愛の境地を強調した。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
昨夜の里子との交渉も、自分を失望させ、里子に嘲はれるだけの痴戯にひとしいものであつたと知つた。
— 林芙美子 『瀑布』 青空文庫
南無阿弥陀仏」「オイ何だい、情死かね」「情死じゃアねえが、大方|痴戯の果だろうよ」「いや、菊屋のかみさんが残酷からだ、以前もあそこの下女で井戸へ飛んだ者がある」などと言騒いでおります。
— 島崎藤村 『旧主人』 青空文庫
南無阿弥陀仏」「オイ何だい、情死かね」「情死じゃアねえが、大方痴戯の果だろうよ」「いや、菊屋のかみさんが残酷からだ、以前もあそこの下女で井戸へ飛んだ者がある」などと言騒いでおります。
— 島崎藤村 『旧主人』 青空文庫
二人の痴戯を窮めるのを見て、レオネルロは微笑んだ。
— BALTHASAR ALDRAMIN. KURZE LEBENSGESCHICHTE AUS DEM ALTEN VENEDIG. 『復讐』 青空文庫
ましてかかる厳粛なるべき事柄を紅毛の痴戯の類と等し並みに検閲の鋏みの対象とすることは、まことに心ない至りと云わねばならぬ。
— 戸坂潤 『世界の一環としての日本』 青空文庫
さあそれからは、ここを痴戯の池として、鴛鴦の濡れ遊ばない日はなかった。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
ほとぼりがさめるとまた、王婆の奥に入り浸って、金蓮相手に、したい三昧な痴戯に耽った。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫