装姿
そうし
名詞
標準
文例 · 用例
夕方、恰好の好い中背の若い女の洋装姿が麻川氏の部屋から出て庭芝を踏んで帰るのを見かけた。
— 岡本かの子 『鶴は病みき』 青空文庫
船中の人の動きの少し静まっていくころを待って山荘へ行こうと薫も思い、そのことを宮へお耳打ちしていたうちに、御所から中宮のお言葉を受けて宰相の兄の衛門督がはなばなしく随身を引き連れ、正装姿でお使いにまいった。
— 総角 『源氏物語』 青空文庫
するとある日の午後、西日の這い寄る机の前にすわっている彼の目の前に、久しく見なかった葉子の瀟洒な洋装姿がいきなり現われた。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
直きにN子の洋装姿が、そこへやつて来た。
— 徳田秋聲 『歯痛』 青空文庫
ではお菊どの、御造作ながら御手伝い下さりませ」 打揃いながら別室へ退いていったかと思われましたが、程経てそこに再び立ち現れた京弥の女装姿は、まこと、女子にしても満点と言った折紙すらもが今は愚かな位です。
— 続旗本退屈男 『旗本退屈男 第二話』 青空文庫
無論のことにそれと言うのは、囮の京弥をなるべく人の目に立たせるためで、人が京弥のすばらしい女装姿に見惚れて通ったならば、いつかそのあでやか振りが伝わって、百化け十吉の耳にも這入り、或は直接また目にもかけ、うまうま海老で鯛を釣る事が出来るだろうと思ったからでした。
— 続旗本退屈男 『旗本退屈男 第二話』 青空文庫
老人の白髯を集めて作った兜の飾り毛を風に靡かせ、獣歯の頸掛をつけた・身長六|呎五|吋の筋骨隆々たる赤銅色の戦士達の正装姿は、全く圧倒的である。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
彼女の盛装姿を見てから二、三日後のこと、私が宿舎の部屋で本を読んでいると、外で、聞いたことのあるような口笛の音がする。
— ――ミクロネシヤ巡島記抄―― 『環礁』 青空文庫