御粗末
おそまつ
名詞
標準
文例 · 用例
」 入交って亭主柏屋金蔵、揉手をしながらさきに挨拶に来た時より、打解けまして馴々しく、「どうも行届きませんで、御粗末様でございます。
— 泉鏡花 『湯女の魂』 青空文庫
ここでおひつ炊飯器や電気ザブトンを見せられて追い討ちをくらったオレは、生来の想像力の貧困にもかかわらず「時代は変わる」と唐突に確信してしまったというのが今回の御粗末だ。
— 富田倫生 『青空のリスタート』 青空文庫
あの服装ぢや、少し宅の方が御粗末|過る様です」「左様でもないさ。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
あの服装じゃ、少し宅の方が御粗末過ぎる様です」「そうでもないさ。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
御粗末などてらだが非常に旨く自分の心理状態を利用した勧誘である。
— 夏目漱石 『坑夫』 青空文庫
御粗末様で」 右源太は、腰の巾着から小銭を出して、ばらばら腰掛けへ落して、編笠を掴むと、小走りに出てしまった。
— 直木三十五 『三人の相馬大作』 青空文庫
だが、鬼は鬼としても、こうして食い散らかした人間の骨を、御粗末ながら棺箱の中へ納めて置くというところに幾分の殊勝さがある。
— 恐山の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
奥州へ来て、広い原さえ見れば安達ヶ原だと思い、一つ家がありさえすれば鬼の棲家だと想像する自分の頭脳の御粗末さ加減に呆れ返る。
— 恐山の巻 『大菩薩峠』 青空文庫