正木
まさき
名詞
標準
文例 · 用例
正木の気合の談を考えて、それが如何なるものかを猜することが出来る。
— 幸田露伴 『魔法修行者』 青空文庫
僕は落第したのだから水野、正木などの連中は一つ先へ進んで行って了ったのであるが、僕の残った級には松本亦太郎なども居って、それに文学士で死んだ米山と云う男が居った。
— 夏目漱石 『落第』 青空文庫
その外、当時の同級生には今の美術学校長正木直彦、専門学務局長の福原鐐二郎、外国語学校の水野繁太郎氏などがあって、それ等の人はなかなか出来る方であったが、私達遊び仲間の連中は総て不成績で、漸次、是等の諸氏と席の方が遠ざかるばかりであった。
— 夏目漱石 『私の経過した学生時代』 青空文庫
――ただいま正木会長の御演説中に市気匠気と云う語がありましたが、私の御話も出立地こそぼうっとして何となく稀有の思はあるが、落ち行く先はと云うと、これでも会長といっしょに市気匠気まで行くつもりであります。
— 夏目漱石 『文芸の哲学的基礎』 青空文庫
正木君の云われた市気匠気と云うのは、かかる閑人の文芸家に着いて廻るのであります。
— 夏目漱石 『文芸の哲学的基礎』 青空文庫
阿部さんはまだ独身で、弟の新五郎は二三年まえから同じ組内の正木という家へ養子にやって、当時はお幾という下女と主従二人暮しでした。
— 岡本綺堂 『三浦老人昔話』 青空文庫
門のくゞりを推す音がきこえたので、お幾が出てみると、主人の弟の正木新五郎が見舞に来たのでした。
— 岡本綺堂 『三浦老人昔話』 青空文庫
お幾は医者へ行く途中で、正木の家の中間に出逢ったので、主人が蝮に咬まれたという話をすると、中間もおどろいて注進に帰ったのですが、生憎に新五郎はその時不在で、四つ(午後十時)近い頃にようやく戻って来て、これもその話におどろいて夜中すぐに見舞にかけ着けて来たというわけです。
— 岡本綺堂 『三浦老人昔話』 青空文庫