諸器
しょき
名詞
標準
文例 · 用例
(明治四十一年三月二十九日『東京朝日新聞』) 七十 料理に音楽 近頃シカゴ市で電気応用諸器械の展覧会があったが、これに関する同地の新聞の記事中に次のような奇抜な意匠が述べてある。
— 寺田寅彦 『話の種』 青空文庫
一月程前、自分の體内の諸器關の一つ一つに就いて、(身體模型圖や動物解剖の時のことなどを思ひ浮かべながら)その所在のあたりを押して見ては、其の大きさ、形、色、濕り工合、柔かさ、などを、目をつぶつて想像して見た。
— 中島敦 『かめれおん日記』 青空文庫
医学博士押鐘童吉は五十代に入った紳士で、薄い半白の髪を綺麗に梳り、それに調和しているような卵円形の輪廓で、また、顔の諸器官も相応して、それぞれに端正な整いを見せていた。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
(d) 夢の中に進行しつつありし事象が、全然予期せざる、正反対の心理の対象たるべく急変したる場合……たとえば、親友が兇漢なる事を発見し、又は、同伴者が急に恐ろしき者に変じ、或は又、快適なる室内の諸器物、楽しき花園の花等が、自己の最も恐怖|嫌忌する形象物体等に変化したる刹那……等……。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
神社仏寺とも古来所伝の什物、衆庶寄付の諸器物、並びに祠堂金等はこれまで自儘に処分し来たったが、これも一々教部省へ具状すべき筋のものであるか。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫
切り開いた陰部から手を挿入して臓腑を引き出したものとみえて、まるで玩具箱をひっくりかえしたように、そこら一面、赤色と紫とその濃淡の諸器官がごっちゃに転がっていた、がただ一つ、子宮が紛失していた。
— 牧逸馬 『女肉を料理する男』 青空文庫
この屍体も、他のすべてのリッパア事件の被害者と同じく、股間に加えられた加害状態とその暴虐は、文明人の思及だも許されない怖愕の極点に達して、犯人が手を使用して引き出したらしい腹部の内部諸器官が、鮮血の溜りと一緒に極彩色の画面のように、両|大腿部に挾まれて屍体の膝のあたりまで真赤に流出していた。
— 牧逸馬 『女肉を料理する男』 青空文庫
右方は女子の席で、併せて貴重品や衣類を納めた大小の櫃、水桶、食料品、厨の諸器が置かれる。
— 附 満蒙の歌 『満蒙遊記』 青空文庫