腐水
ふすい
名詞
標準
文例 · 用例
…… 冷い石塔に手を載せたり、湿臭い塔婆を掴んだり、花筒の腐水に星の映るのを覗いたり、漫歩をして居たが、藪が近く、蚊が酷いから、座敷の蚊帳が懐しくなって、内へ入ろうと思ったので、戸を開けようとすると閉出されたことに気がついた。
— 泉鏡花 『星あかり』 青空文庫
…… 冷い石塔に手を載せたり、濕臭い塔婆を掴んだり、花筒の腐水に星の映るのを覗いたり、漫歩をして居たが、藪が近く、蚊が酷いから、座敷の蚊帳が懷しくなつて、内へ入らうと思つたので、戸を開けようとすると閉出されたことに氣がついた。
— 泉鏡花 『星あかり』 青空文庫
そう努めれば努めるほど、何たる愚痴、心は綿々と、声なき独り言を、腐水の泡つぶのようにつぶやいて熄まない。
— 第七分冊 『新書太閤記』 青空文庫
ゆうべからまだ解決を見ない苦悩と困憊のいろを、古池の腐水のように湛えたままでいるこの評定の間の人々にも、もちろん一半の責任はある事だった。
— 吉川英治 『黒田如水』 青空文庫