悼亡
とうぼう
名詞
標準
文例 · 用例
悼亡の句などは出来る柄でない。
— 夏目漱石 『趣味の遺伝』 青空文庫
其うち保平と申は悼亡のいたみ御座候。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
集に悼亡の詩三首があつて、中に「久托衰躬只一妻、奈何老鶴乍孤棲」の句がある。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
萬葉の頃の悼亡の歌には、直接に自分の歎きを痛切に吐露したものよりも、さうやつて死者の葬られた山を對象とし、或は空しくなつた家の日ごとに荒廢してゆく有樣や、故人の遺物である木や花や鳥などを對象としたものが多いやうである。
— 堀辰雄 『黒髮山』 青空文庫
さう云はれないでゐると、これでも悼亡詩なのかと思ふ位の、明るい感じをさへ此歌は誰にでも與へるだらう。
— 堀辰雄 『黒髮山』 青空文庫
墓誌の終に悼亡の詩六首を刻したり。
— 永井荷風 『礫川記』 青空文庫
枕山が「悼亡」の律詩中に「一火延焼旧草廬。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫
毅堂が「悼亡」の絶句七首の一に「何由幼稚記風ヲ記ス/逝クヲ傷ミ孤ヲ憐ミ感窮マラズ/他日衣ヲ奉ジテ母ニ見ユルガ如シ/余香留マリテ在リ一箱ノ中〕男文豹は四歳にして慈母を喪ったのである。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫