剥き出し
むきだし
名詞
標準
文例 · 用例
それに比べると、夏の富士は、焙烙色に赭ッちゃけた焼け爛れを剥き出しにした石山であるのに、この水々しさと若さは、どうしたものであろう。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
今度は裾を捲って両足を交る/″\蹴上げ、くるりと廻って腰を二三遍振ると、隠すべき部分までわたくしに剥き出して見せようとします。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
次に誰の眼にも莫連女と知れる剥き出しの胸や腕に宝石の斑張りをした女が通った。
— 岡本かの子 『ドーヴィル物語』 青空文庫
この室内に向けて昼も剥き出しのシャンデリアが煌々と照らしている。
— 岡本かの子 『家霊』 青空文庫
「此奴、狡猾い奴だ」と、兵站係の衣水子、眼玉を剥き出し、「八人前八銭ではないか、余分を返せ」と談判に及べば、船頭は一旦握った金を容易に放して堪るものかと、「この大水だで――」と頑強に抵抗したが、「馬鹿をいうな。
— 押川春浪 『本州横断 癇癪徒歩旅行』 青空文庫
) と赭顔なのが白い歯を剥き出していうようです。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
母は襦袢の袖を噛み声も得たてず泣き出せば、十兵衛涙に浮くばかりの円の眼を剥き出し、まじろぎもせでぐいと睨めしが、おおでかしたでかした、よくできた、褒美をやろう、ハッハハハと咽び笑いの声高く屋の棟にまで響かせしが、そのまま頭を天に対わし、ああ、弟とは辛いなあ。
— 幸田露伴 『五重塔』 青空文庫
生活についての剥き出しな、きまりの悪くなるような話ばかりするので、聞いていて恥ずかしくなった源氏は、そこから退いて、今来たように格子をたたいたのであった。
— 末摘花 『源氏物語』 青空文庫