慌
慌
名詞
標準
文例 · 用例
彼等は慌だしげに歩き、四囲の風景や人情などを、まるで観察しようと思っていない。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
これに対して前者は、旅行それ自体に意義を認めない旅人であって、人生の慌だしき、性急なる飛脚である。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
明治以来、我々の文壇や文明やは、その慌しい力行にかかわらず、一も外国の精神に追いついてはいなかった。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
日本の慌ただしき生活と、東京の雜駁なる市街の店で、いかにあの麥稈は不調和なるかな!
— 萩原朔太郎 『ラムネ・他四編』 青空文庫
兄は慌てゝそれはもう少し待つてくれと云つたが、彼れは敵意に近い程な激しい態度で兄の言葉を遮りながら小使を死亡室に走らした。
— 有島武郎 『實驗室』 青空文庫
二十二日に東京に帰ると慌てゝ京都の同志社に於ける講演旅行の準備に取りかゝりました。
— "Not till the sun excludes you, do I exclude you; 『●「或る女」巻頭のホイットマンの詩』 青空文庫
尤もスランプだからといつて、慌てもしない泣きもしない。
— 中原中也 『散歩生活』 青空文庫
「やつぱり朝はおみおつけがどうしたつて要りますなあ」だの、「扇子といふやつはよく置忘れる代物ですなあ」とか云つてれあともかく活々してる奴等が、現代だの犯罪心理なぞとホザき出すので、通りすがりに結婚を申込まれた処女みたいなもんで、私は慌ててしまふんだ。
— 中原中也 『散歩生活』 青空文庫