店賃
たなちん
名詞
標準
house rent
文例 · 用例
針のやうな茸が洒落に突いたのであらうと思つて、もう一度身ぶるひすると同時に、何うやら其の茸が、一づゝ芥子ほどの目を剥いて、ぺろりと舌を出して、店賃の安値いのを嘲笑つて居たやうで、少々癪だが、しかし可笑い。
— 泉鏡太郎 『くさびら』 青空文庫
お負に小綺麗な所で店賃の安い所へ越したいから、世話をしてくれろと云うので、切通しの質屋の隠居のいた跡へ、面倒を見て越させて遣った。
— 森鴎外 『雁』 青空文庫
店賃が安いので此頃越して来た、新しいこけら葺から雨の漏る長屋である。
— 森鴎外 『金貨』 青空文庫
格子戸で、二間なら一月分の店賃だ、可恐しい、豪傑な。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
悪たれ店子の上に店賃は取れず、瘠せた蟒でも地内に飼って置くようなもんですから、もう疾くにも追出しそうなものを、変った爺で、新造が惚るようじゃ見処があるなんてね、薬鑵をさましていたそうですが、御覧なさい。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
はて、店賃の御催促。
— 泉鏡花 『註文帳』 青空文庫
忰は稼いでるし、稲荷町の差配は店賃の取り立てにやあ歩行かねえッての、むむ。
— 泉鏡花 『註文帳』 青空文庫
幽霊に貸して置いたのじゃあ店賃も取れず、早く毀れてしまった方がいいな」 半七は茶代を置いて烏茶屋を出ると、この頃の日はもう傾きかかって、何処からか飛んで来る落葉がばらばらと顔を撲った。
— 青山の仇討 『半七捕物帳』 青空文庫