覈
覈
名詞
標準
文例 · 用例
惜福の工夫十分なる人が、福運の來訪を受くること多きは、實際の事實で有つて、遠く史上の古人に就て之を檢覈するを須ひず、近く吾人の目睹耳聞するところの今人に就て之を考査すれば、直に明瞭なることであるが、分福の工夫十分なる人が、好運の來訪を受くること多きも、亦明白なる事實である。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
墨子の學と惠施の説と通ずるところがあるといへば、人は大口を開いて笑ふであらうが、これは他日細心の人の研覈に委ねることとして、こゝではたゞこれだけのことを言つて置く。
— 幸田露伴 『墨子』 青空文庫
酌源は班固の典引の「斟酌道徳之淵源、肴覈仁義之林藪」から出てゐる。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
今先祖書を得た上はこれを覆覈して見なくてはならない。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
吾人をして少しく之れを※覈する所あらしめよ。
— 綱島梁川 『国民性と文学』 青空文庫
拙者も至って孝心深く、かつ無類の大食なれば、可止法師に大いに同感を寄するが、それよりも感心なは居暁の博物で、壁虎の眼が瞬かぬなど少々の例外あれど、今日の科学|精覈なるを以てしても、一汎に蛇の眼は瞬かず、蜥蜴群の眼が動くとは、動かし得ざる定論じゃ。
— 田原藤太竜宮入りの話 『十二支考』 青空文庫
けだし我々がいちがいに自然主義という名の下に呼んできたところの思潮には、最初からしていくたの矛盾が雑然として混在していたにかかわらず、今日までまだ何らの厳密なる検覈がそれに対して加えられずにいるのである。
— 石川啄木 『時代閉塞の現状』 青空文庫
すべてこれらの誤謬は、論者がすでに自然主義という名に含まるる相矛盾する傾向を指摘しておきながら、なおかつそれに対して厳密なる検覈を加えずにいるところから来ているのである。
— 石川啄木 『時代閉塞の現状』 青空文庫