パセティック
パセティック
形容動詞
標準
pathetic
文例 · 用例
活気のずんずん回復しつつあった彼女には何かパセティックな夢でも見ているような思いをさせた。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
すぐに高志が出力をしぼり、ポール・ジョーンズのパセティックなヴォーカルが小さくなる。
— 第2章 メリーゴーラウンド、1967年 『45回転の夏』 青空文庫
昔の矢部さんの絵は、色調において暗かったし、テーマもパセティックであって、奇麗な絵ではなかったかも知れませんけれども、私の心には今日なお刻まれている画面もあります。
— 宮本百合子 『第一回日本アンデパンダン展批評』 青空文庫
人生の現実、社会の歴史の現われ方がパセティックなものにばかり焦点を見るということは、一つのセンチメンタリズムであって、芸術家の広い視野と感受性とは、その反対の寛ろぎや、平安や、歓びを芸術の美として映し出すことは当然です。
— 宮本百合子 『第一回日本アンデパンダン展批評』 青空文庫
惨苦がパセティックという感情に、導かれて、通俗人をそこの廃跡にいる間は厳粛にさせ、歴史の犠牲について、人間の発展について思わせる迫力をもって整理されている。
— 宮本百合子 『観光について』 青空文庫
そこで、その時も、ただ、かぶっていた麦わら帽子をぬいで、それを高くさし上げて、パセティックな心もちに順応させた。
— 芥川龍之介 『出帆』 青空文庫
嘗つてビアンキイ女史がこの詩人のことをリルケと竝べて論じてゐた本を讀んだ折、既に物故したこの詩人のパセティックな、眞の姿を知つて、それ以來何となく心を惹かれてゐたが、最近その文集の佛譯を手に入れることが出來て、數日前から讀み續けてゐるのである。
— 堀辰雄 『春日遲々』 青空文庫
その頃既に「氷島」のやうなパセティックな詩境に入られてゐた萩原さんがいまもなほ、日本の近代詩の正統な道として信ぜられて、さうやつて絶えずその詩集のことを心にせられてゐたのは、この「青猫」一卷なのである。
— 堀辰雄 『「青猫」について』 青空文庫
作例 · 標準
彼の必死な言い訳は、聞いているこちらが恥ずかしくなるほどパセティックだった。
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観客は、そのあまりにもパセティックな演技に、静まり返ってしまった。
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「そんなパセティックな理由で諦めるなんて、らしくないぞ!」
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