抽
抽
名詞
標準
文例 · 用例
もとより「いき」と類似の意味を西洋文化のうちに索めて、形式化的抽象によって何らか共通点を見出すことは決して不可能ではない。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
民族的、歴史的存在規定をもった現象を自由に変更して可能の領域においていわゆる「イデアチオン」を行っても、それは単にその現象を包含する抽象的の類概念を得るに過ぎない。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
「いき」の形式化的抽象を行って、西洋文化のうちに存する類似の現象との共通点を求めようとするのもその類である。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
すなわち、「いき」を単に種概念として取扱って、それを包括する類概念の抽象的普遍を向観する「本質直観」を索めてはならない。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
また客観的表現の理解をもって直ちに意識現象の会得と見做すため、意識現象としての「いき」の説明が抽象的、形相的に流れて、歴史的、民族的に規定された存在様態を、具体的、解釈的に闡明することができないのである。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
主観的であるとは、具体的表象に規定されず、芸術の形成原理が自由に抽象的に作動する場合である。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
それに反して、主観的芸術は具体的な「いき」を内容として取扱う可能性を多くもたないために、抽象的な形式そのものに表現の全責任を託し、その結果、「いき」の芸術形式はかえって鮮やかな形をもって表われてくるのである。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
もとより色彩だけを抽象して考える場合には、灰色はあまりに「色気」がなくて「いき」の媚態を表わし得ないであろう。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫