兄者
あにじゃ
名詞
標準
older brother
文例 · 用例
……娑婆はめでたや、虫の可い、その男はの、我が手で水を向けて、娘の心を誘うておいて、弓でも矢でも貫こう心はなく、先方の兄者に、ただ断り言われただけで指を銜えて退ったいの、その上にの。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
三郎はそれを聞いてしばらく考えごとをしてから、なんだか兄者人のような気がすると前置きをして、それから自身の半生を嘘にならないように嘘にならないように気にしいしい一節ずつ口切って語りだしたのである。
— 太宰治 『ロマネスク』 青空文庫
誰のお庇だ、これも兄者人の御守護のせい何ぞ恩返しを、と神様あつかい、伏拝みましてね、」 と婆さんは掌を合せて見せ、「一年、やっぱりその五月雨の晩に破風から鼻を出した処で、(何ぞお望のものを)と申上げますと、(ただ据えておけば可い、女房を一人、)とそういったそうでございます。
— 泉鏡花 『政談十二社』 青空文庫
飲みぬけの父と銅鑼打つ兄者人の中に泣くなる我が思ふ人 サアカスの娘の歌である。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
結婚証書を三通|新婦の兄者人に書いてもらって、新郎新婦をはじめ其|尊長達、媒妁夫妻も署名した。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
お馨さんの兄者人からである。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
I君は「次郎桜」の兄者で、十七年前私共が千歳村へ引越す時、荷車引いて東京まで加勢に来てくれた村の耶蘇信者四人の其一人、本文に「角田勘五郎の息子」とあるのがそれです。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
京子は十二年前に勘当された加十に兄者人としてのナジミがないから、他人に財産をとられるような怒りや呪いがあったかも知れません。
— その二十 トンビ男 『明治開化 安吾捕物』 青空文庫
作例 · 標準
私は毎日兄者について考えている。
兄者という言葉は日本語で重要だ。
彼は兄者の意味を理解している。
この文には兄者が含まれている。