草雲雀
くさひばり
名詞
標準
grass cricket
文例 · 用例
そんなことを云うと、虫屋さんに憎まれるかも知れませんが、松虫や草雲雀のたぐいは値が高いばかりで、どうも江戸らしくありませんね。
— 奥女中 『半七捕物帳』 青空文庫
松虫、鈴虫、草雲雀のたぐいが掛行燈の下に声をそろえて鳴く。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
草雲雀がいよ/\ます/\さびしくかなしく鳴いて、ゆく秋を惜しんでゐる。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
虫と河鹿 松虫、鈴虫、轡虫、さては草雲雀、螽斯なんど、いずれ野に聞くべきものを美しき籠にして見る都びとの風流は、今も昔に変らぬが、ただこの虫というもの、今は野生のを捕え来て商うのではなくて、大方は人工孵化。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
桑畑で草雲雀が小さな銀鈴を鳴らすような涼しい声を振り立てる。
— 木暮理太郎 『奥秩父の山旅日記』 青空文庫
十月の末、夏は草雲雀の楽しい住家であった桑の葉が、人の跫音にもかさかさと音がして、脆くも落ち散って了った桑畑の上に、遠近の山が鮮かに望まれる日が多くなると、水の涸れた田圃の小溝に枯柴を敷いて、其上に仰向けに寝転びながら山を見て居るのが楽みであった。
— 木暮理太郎 『秩父の奥山』 青空文庫
「人間に生れることばかりが、必ずしも幸福ではない」と、草雲雀に就てそんなことを或る詩人が言つた。
— 或は病める薔薇 『田園の憂欝』 青空文庫
野なかの、野中の金ぼとけ十六娘をしらないか迷った娘を知らないか打っても、カーン訊いても、カーン草雲雀一 帰る旅籠は、分りきったつもりでいたらしいが、向う見ずに飛んで来るうちに、「おや、違ったかな?
— 空の巻 『宮本武蔵』 青空文庫