興言
こうげん
名詞
標準
文例 · 用例
猿楽の用語例の一部分には、武家以前古くから興言利口などゝ言ふべき、言ひ立て又は語りの義があります。
— 折口信夫 『翁の発生』 青空文庫
興言利口も、其根本になるべき話材までも、さう言ふ様になりました。
— 折口信夫 『翁の発生』 青空文庫
此は、狂言の元の宛て字が興言であると共に猿楽の、言と能との二方面に岐れる道を示すものです。
— 折口信夫 『翁の発生』 青空文庫
年かさの同僚が、彼れの振はない風采を材料にして、古い洒落を聞かせようとする如く、年下の同僚も、亦それを機会にして、所謂興言利口の練習をしようとしたからである。
— 芥川龍之介 『芋粥』 青空文庫
平安朝初期の条件法の厳重であつた時代には、たとひ興言利口にも、「かはらざらめど」と言はねば通じなかつたであらう。
— 折口信夫 『鸚鵡小町』 青空文庫
狂言と言うたのは、興言利口などゝあるやうに、言ひ立て・語りの義から出た名称で、此に狂言の字を当てたのは、其言ひ立て・語りに、をかし味があつたからだと思はれる。
— 「翁の発生」の終篇 『能楽に於ける「わき」の意義』 青空文庫
興台――正式には、興言台と書いたのであらう――産霊は、後代は所謂|詞霊と称せられて一般化したが、正しくはある方式即とを具へて行ふ詞章の憑霊と言ふことが出来る。
— 唱導的方面を中心として 『国文学の発生(第四稿)』 青空文庫
こやねは、興言台の方式を伝へ、詞章を永遠に維持し、諷唱法を保有する呪言の守護神だつたらしい。
— 唱導的方面を中心として 『国文学の発生(第四稿)』 青空文庫