売上
うりあげ
名詞
標準
文例 · 用例
何れ商売上手の手合の仕事とすれば、害のない位をモッケの幸とせねばならぬが、真面目に家庭談を為すものや、本気に家庭作物を読む人々は、先ず此の家庭の意義を、十分に解して居って貰い度いものである。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
」「いやいや、もう安宅さん……わたしの方は商売上つたりで、もうずつとくひこみですあ。
— 中原中也 『古本屋』 青空文庫
二 おなじ人が、金三円ばかりなり、我楽多文庫売上の暮近い集金の天保銭……世に当百ときこえた、小判形が集まったのを、引攫って、目ざす吉原、全盛の北の廓へ討入るのに、錣の数ではないけれども、十枚で八銭だから、員数およそ四百枚、袂、懐中、こいつは持てない。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
部屋の隅にあった子供のおしめで顔を拭き、荒い呼吸をしながら下の部屋へ行き、店の売上げを入れてある手文庫から数千円わしづかみにしてジャンパーのポケットにねじ込み、店にはその時お客が二、三人かたまってはいって来て、小僧はいそがしく、「お帰りですか?
— 太宰治 『犯人』 青空文庫
近衛もこのごろは商売上手になったよ。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
畠の収穫物の売上げは安く、税金や、生活費はかさばって、差引き、切れこむばかりだった。
— 黒島傳治 『電報』 青空文庫
商売上で少し筋の悪い品を買って、飛んだ引き合いを食いそうになったから、ちっとの間どこかへ姿を隠すんだと云うから、一昨々日からこうして隠まって置いてやると、そりゃあ丸で嘘の皮で、市ヶ谷の女と心中しそこなったんだということを今初めて聞いた。
— 帯取りの池 『半七捕物帳』 青空文庫
母親は、物見遊山にも行かず、着ものも買わない代りに月々の店の売上げ額から、自分だけの月がけ貯金をしていた。
— 岡本かの子 『鮨』 青空文庫