優姿
やさすがた
名詞
標準
graceful figure
文例 · 用例
所詮は鬼武の「自来也物語」を焼き直したものであるが、主人公の盗賊児雷也を前茶筌の優姿にして、田舎源氏の光氏式に描かせた趣向がひどく人気に投じたらしい。
— 岡本綺堂 『自来也の話』 青空文庫
少し心安くなると、蛇の目の陣に恐をなし、山の端の霧に落ちて行く――上※のような優姿に、野声を放って、「お誓さん、お誓さん。
— 泉鏡花 『燈明之巻』 青空文庫
璃寛が万延元年道頓堀筑後の芝居で、和三|郎から初めて徳三郎になつた折の事、ある日|北船場の物持平野屋の一族が、西桟敷の幾つかを買ひ切つて、見物に来てゐたが、そのなかに別家の一人娘お常といふのがゐて、徳三郎の優姿を見初めて、顔を杏のやうに赧くした。
— 大正七(一九一八)年 『茶話』 青空文庫
太田川の七つに分岐してる清流が市街地を六つのデルタに区分し、北方は青山にかこまれ南方へ扇形をなして海に打ち開け、海上一里ほどの正面に安芸の小富士と呼ばるる似ノ島の優姿が峙ち、片方に宇品の港を抱き、その彼方は、大小の島々を浮べてる瀬戸内海である。
— 豊島与志雄 『ヒロシマの声』 青空文庫
あの「ぢやぼ」(悪魔)をも挫がうず大男が、娘に子が産まれるや否や、暇ある毎に傘張の翁を訪れて、無骨な腕に幼子を抱き上げては、にがにがしげな顔に涙を浮べて、弟と愛しんだ、あえかな「ろおれんぞ」の優姿を、思ひ慕つて居つたと申す。
— 芥川龍之介 『奉教人の死』 青空文庫
鏡葉之助は美少年、女のような優姿。
— 国枝史郎 『八ヶ嶽の魔神』 青空文庫
二たとへば、君が優姿夏は水際の花あやめ、むかしおぼゆる大江戸の水の香ながく君に添ふ。
— 蒲原有明 『春鳥集』 青空文庫
われわれが出発前推測した通り、飯田松川はその全体を通じて、あふれる平和な優姿の中に、無量の感慨をこめてくすぐるようにささやく愛の言葉を持っていたのである。
— 細井吉造 『二つの松川』 青空文庫
作例 · 標準
舞台の上で舞う彼女の優姿は、観客全員を魅了するほどの美しさだった。
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振り袖をまとった彼女の優姿を写真に収め、大切な思い出にする。
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遠くからでも一目で分かるその優姿に、思わず背筋が伸びる思いがした。
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