紅巾
こうきん
名詞
標準
文例 · 用例
そうして二人がいるうちに紅巾の賊乱が起った。
— 田中貢太郎 『断橋奇聞』 青空文庫
こういうことのあったのは永禄元年のことであるが、この夜買った紅巾の祟りで、土屋庄三郎の身の上には幾多の波瀾が重畳した。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
紅巾がちゃんと置いてある。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
「うむ、夢ではなかったか」 呟きながら起き上がると、紅巾を持って縁へ出た。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
顔を出したばかりの朝の陽が夢見山の頂きからお館の屋根を輝かせ、庭の木立の隙を潜り泉水へ落ちる筧の水を黄金色に染め上げてカッと縁まで射していたが、そのすがすがしい光の中へ、つと紅巾を差し出すと綴目の糸をブツリと切り、解きほぐしたり裏返したり陽に照らして打ち眺めたが、「はてな」 と云って首を捻った。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
「まあちょっとここへ来い」「はい、ご用でございますかな」「何んと綺麗な布ではないか」 云いながら紅巾を差し出した。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
」「うん、少しく訳があって、計らず手に入れた紅巾だが、これ甚兵衛よく見てくれ。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
」 上衣に裁っても下衣に裁っても十分用に足りるだけの幅も長もあったけれど、不思議のことにはその紅巾は蝉の羽根のように薄いところから、掌の中へ握られるほどにまた小さくもなるのであった。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫