新邸
しんてい
名詞
標準
文例 · 用例
源氏は静かな生活のできる家を、なるべく広くおもしろく作って、別れ別れにいる、たとえば嵯峨の山荘の人などもいっしょに住ませたいという希望を持って、六条の京極の辺に中宮の旧邸のあったあたり四町四面を地域にして新邸を造営させていた。
— 乙女 『源氏物語』 青空文庫
式部卿の宮は来年が五十におなりになるのであったから、紫夫人はその賀宴をしたいと思って仕度をしているのを見て、源氏もそれはぜひともしなければならぬことであると思い、そうした式もなるべくは新邸でするほうがよいと、そのためにも建築を急がせていた。
— 乙女 『源氏物語』 青空文庫
女房たちの部屋の配置、こまごまと分けて部屋数の多くできていることなどが新邸の建築のすぐれた点である。
— 乙女 『源氏物語』 青空文庫
そして彼は、その豪壮な新邸宅ですることもなく手持ち無沙汰に暮らしていた。
— 佐左木俊郎 『或る部落の五つの話』 青空文庫
末起の家は、新邸の進行中だったけれど、ふと、義父が下手人だということに疑いを感ずるようになった。
— 小栗虫太郎 『方子と末起』 青空文庫
でも近いうちに新邸へ越します。
— 小栗虫太郎 『方子と末起』 青空文庫
おなじ部屋で二度の殺人はと思い、新邸にその装置をつくり、またの機会を狙っているのです。
— 小栗虫太郎 『方子と末起』 青空文庫
現に、今日の園遊会も、一人宛百金に近い巨費を投じて、新邸披露として、都下の名士達を招んだのである。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫