食い破る
くいやぶる
動詞-五段-ラ行動詞-他動詞
標準
to bite and tear
文例 · 用例
人間ならば来年の夏の青葉の夢でも見ながら、安楽な眠りに包まれている最中に、突然わき腹を食い破る狼の牙を感じるようなものである。
— 寺田寅彦 『簔虫と蜘蛛』 青空文庫
収穫季の終が来て蛇が閉塞して畢うと鼠は蕎麦や籾の俵を食い破る。
— 長塚節 『太十と其犬』 青空文庫
いかに妙見さまは弁天さまのごきょうだいにしたって、ただの布切れが人ののど笛を食い破るなんてことは、どう考えたってもがてんがいかねえんだからね。
— のろいのわら人形 『右門捕物帖』 青空文庫
私たちが、うっかりしている間に、警察署の小使が飼っている玉ちゃんという猫が、昨今腹が減っていると見え、いつの間にか机の上のすしを見つけ、紙包の横を食い破ると、中のすしを盗んで食っているのです。
— 海野十三 『爆薬の花籠』 青空文庫
関村つる子の真率さは、どのようにそのまゆをくいやぶるだろうか。
— 宮本百合子 『婦人作家』 青空文庫
高見順が文学について書いているのに、先ず文学は非力である、非力であるが、獅子と鼠の物語のように、ライオンのとらえられた網をくいやぶるのはネズミであるというような云いかたをしている。
— 一九四一年(昭和十六年) 『獄中への手紙』 青空文庫
さすがの大ワシも、このかたいのどを、くいやぶることができません。
— 江戸川乱歩 『魔法人形』 青空文庫