箇浦
かうら
名詞
標準
文例 · 用例
福井の四箇浦のうにはとげがない。
— 北大路魯山人 『個性』 青空文庫
そこで今ある各地方の訛音なるものを見渡すのに、ヰロリと明瞭に謂うものはむしろ少なく、東北は弘前市のエリギを始めとし、秋田市のエルギまたはエルゲ、その隣の山本郡のエヌギ、鹿角郡のユルギがあり、福島県では石城郡のイルギ、最上や会津や相州浦賀等のユルギのほかに、飛んで隠岐五箇浦のエリリがある。
— 柳田国男 『木綿以前の事』 青空文庫
日本第一の近江のびわ湖は、そのぐるりがほとんど山ですが、霞ガ浦は関東平野のまんなかにあるので、山らしい山は、七、八|里はなれた北の方に筑波山が紫の色を見せているだけで、あとはどこを見まわしても、なだらかな丘がほんのり、うす紫に見えているばかりであります。
— 下村千秋 『あたまでっかち』 青空文庫
びわ湖を、厳格なおとうさんとすれば、霞ガ浦は、やさしいおかあさんのようだともいえるでしょう。
— 下村千秋 『あたまでっかち』 青空文庫
大むかし、人間は波のおだやかな海岸とか、川の岸とか、湖のまわりなどに一番さきすんだものですから、このおかあさんのようなやさしい霞ガ浦のまわりには、もちろんずっと大むかしから人がすんでいたのです。
— 下村千秋 『あたまでっかち』 青空文庫
また林太郎の家も何十代つづいたかわからないという旧家で、村の一番北のはずれに、霞ガ浦を見下して、大きなわら屋根をかぶっていました。
— 下村千秋 『あたまでっかち』 青空文庫
「霞ガ浦」という名はこういうところからでたのにちがいありません。
— 下村千秋 『あたまでっかち』 青空文庫
まったくかすみにつつまれた霞ガ浦ほど、なごやかなやさしい自然はないでしょう。
— 下村千秋 『あたまでっかち』 青空文庫