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此方側

こちらがわ
名詞
1
標準
文例 · 用例
「をかしな奴が一人、此方側の土塀の前に、砂利の上に踞みましてね、通るものを待構へて居るんです。
泉鏡太郎 艶書 青空文庫
狭い路次にある裏の入口に立つてみると、そこに細い二段の階段があり、階段の側にむせるやうな石炭や油の嗅気の漂つたコック場のドアがあり、此方側の、だらしなく取散らかつた畳敷の女給溜りには、早出らしい女給の姿もみえて、その一人が立つて来て、じろ/\晴代の風体を見ながら、二階の事務室へ案内してくれた。
徳田秋声 のらもの 青空文庫
目のぱつちりした美しい一|人の女が私を食卓の向側へ「どうぞ」と言つて案内してくれたが、誰もまだ入つてこないので躊躇してゐるうちに、此方側の左手の椅子を取ることになつて、先刻美しい人が脇へ来て席を取つたが、言葉が通じないことがわかつたところで、今一|人の日本語のよく話せるお転婆さんらしい女と入替つた。
徳田秋聲 微笑の渦 青空文庫
四っ角へ出ると、左手の此方側に西洋小間物屋があつて、向側に日本小間物屋がある。
夏目金之助 三四郎 青空文庫
銀杏の並木が此方側で尽きる右手には法文科大学がある。
夏目金之助 三四郎 青空文庫
三四郎は東京へ来てから何遍此小川の向側を歩いて、何遍|此方側を歩いたか善く覚えてゐる。
夏目金之助 三四郎 青空文庫
人の家の路次の様な所を十間程行き尽して、門の手前から板橋を此方側へ渡り返して、しばらく河の縁を上ると、もう人は通らない。
夏目金之助 三四郎 青空文庫
三四郎は此方側から手を出した。
夏目金之助 三四郎 青空文庫