波頭
なみがしら異読 はとう
名詞
標準
wave crest
文例 · 用例
この頃のやうな若葉時になると、薄く透明な黄味を含んだ楢の葉が、柔々しい絹糸のやうな裏毛を、白く光らせて、あつちでも、こつちでも、ひら/\と波頭のやうに、そよ風に爪立つてゐる。
— 小島烏水 『亡びゆく森』 青空文庫
しかもその花は、一つのこずえの尖端に、十数個から二十ぐらい、鈴生りに群って、波頭のせり上るように、噴水のたぎるように、おどっているところは、一個|大湊合の自然の花束とも見られよう、その花盛りの中に、どうかすると、北向きに固く結んだつぼみが見える。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
波頭が砂浜をはい上がって引いたすぐあとの湿った細砂の表面を足で踏むと、その周囲二三尺ほどの所が急にすうとかわくが、そのまま立ち止まっていると、すぐにまた湿って来ます。
— 寺田寅彦 『夏の小半日』 青空文庫
カルメンの中の独唱でも、管弦楽の進行の波頭が指揮者のふりかざした両腕から落ちかかるように独奏者のクローズアップに推移して同時にその歌を呼出すといったような呼吸の面白さは、実地では却って容易に味わわれないものである。
— 寺田寅彦 『映画雑感(5)』 青空文庫
演奏者の白い十本の指があるときは泡を噛んで進んでゆく波頭のように、あるときは戯れ合っている家畜のように鍵盤に挑みかかっていた。
— 梶井基次郎 『器楽的幻覚』 青空文庫
それは近くの瀬の波頭の間から高まって来て、眼の下の一団で高潮に達しる。
— 梶井基次郎 『交尾』 青空文庫
当時の政客で○○○議長もしたことのあるK氏の夫人とその同伴者が波打際に坐り込んで砂浜を這上がる波頭に浴しているうちに大きな浪が来て、その引返す強い流れに引きずり落され急斜面の深みに陥って溺死した。
— 寺田寅彦 『海水浴』 青空文庫
洪水のように押し込んで来る西洋文学の波頭はまずいろいろなおとぎ話の翻訳として少年の世界に現われた。
— 寺田寅彦 『読書の今昔』 青空文庫
作例 · 標準
荒れ模様の海では、高く盛り上がった波頭が白く砕け散っている。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
サーファーたちは、崩れゆく波頭を巧みに捉えて波に乗っていく。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
遠くの沖合に、白い波頭が点々と見えて、海の荒れ具合を物語っていた。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview