狐面
きつねめん
名詞
標準
文例 · 用例
私は鼻高過ぎてやせている狐面や長くて馬に類するものよりも、鼻低しといえども丸々として猫に類する厚ぽったい相貌を好む。
— 小出楢重 『めでたき風景』 青空文庫
人間が自然に各様式の風貌を以て生れては来るのであるが、便宜上馬に類する者、狸に類するもの狐に類するものを集めて、狸面、狐面と区別すると、説明がしやすいからだろうと思う。
— 小出楢重 『油絵新技法』 青空文庫
その六階の露台に敷布団を敷き、半裸体に引きむかれた狐面痩躯の東洋人コン吉が、隆々たる筋肉を西北の寒風に吹かせ、前後不覚にわなわなと震えながら、伊太利乾物屋の店先の棒鱈のように寝そべっているのは、当時|欧羅巴を風靡している裸体主義の流行に迎合しているのではない。
— 合乗り乳母車 ――仏蘭西縦断の巻―― 『ノンシャラン道中記』 青空文庫
昂奮で狐面を赤らめながら、「なるほど、これは絶対ですな。
— 南風吹かば ――モンテ・カルロの巻―― 『ノンシャラン道中記』 青空文庫
手にはドキドキする鎌を持つて、汚ない布子のジンジン端折り、捻り鉢卷がそのまゝずつこけたやうに、煮締めた手拭を、緩く首に卷いて、恐ろしい無精髯、金壺眼で、狐面で、聲だけは朗々と、威壓と虚勢に馴れた凄いバリトンです。
— 白梅の精 『錢形平次捕物控』 青空文庫
狐面がオドオドして、ひどく情けない表情です。
— 春宵 『銭形平次捕物控』 青空文庫
少し狐面で、才走つては居りますが、斯んなのが案外若い娘達に騷がれるのかもわかりません。
— 歎きの幽澤 『錢形平次捕物控』 青空文庫