背文字
せもじ
名詞
標準
lettering on the spine of a book
文例 · 用例
階子段の裏を抜けると、次の次の、応接室の扉は、半開きになって、ペンキ塗の硝子戸入の、大書棚の前に、卓子に向って二三種新聞は見えたが、それではなしに、背文字の金の燦爛たる、新い洋書の中ほどを開けて読む、天窓の、てらてら光るのは、当女学校の教頭、倫理と英文学受持…の学士、宮畑閑耕。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
書籍は、背文字のない雑誌形のものが過半数で、そこには貸本屋のそれのやうに一々自筆で、題名が記されてあつた。
— 牧野信一 『余話(秘められた箱)』 青空文庫
いま大橋先生に会うて来た、これを読めといわれてね」江藤(その本の背文字を見て)「こんな方面に興味を持ち出したの?
— 織田作之助 『四つの都』 青空文庫
どの書物もどの書物も、さあ僕の方から読んでくれたまえと、背文字でほほえみかけてくるようだ。
— 原民喜 『夢と人生』 青空文庫
そして、緑色の芝生の中で光る金色の背文字と白い頁を見て、あそこは自分も前に通って来た青春の日の駅だったと思った。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
法水は背文字を敏速く追うていって、しばらくの間、紙と革のいきれるような匂いの中で陶酔していた。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
灯のこないその室には、微かな、まるで埃のような光靄が漂っていて、木椅子の肌や書名の背文字が異様に光り、そのうら淋しさのみでも、低い漠然とした恐怖を覚えるのだった。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
しかし彼は熱心に本の背文字を読みつづけた。
— 芥川龍之介 『或阿呆の一生』 青空文庫
作例 · 標準
棚に並んだ本の中から、背文字だけを頼りに目的の一冊を探し出した。
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古い和綴じ本には、墨で書かれた趣のある背文字が残っていた。
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「背文字が見えにくいから、もう少しフォントを大きくしてデザインし直そう」
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