戯気
たわむれき
名詞
標準
文例 · 用例
もともと伸子は、あの乾板盗みを、ふとした悪戯気から演ったのだろう。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
けれども、疚しい所のない人間と云うものは、鳥渡した悪戯気から、つい芝居をしたくなるものだがね。
— 小栗虫太郎 『後光殺人事件』 青空文庫
看方に由てはこの遊戯気分が都会文芸の一要素となってるので、永井荷風や小山内薫や夏目漱石の提撕を受けた三田派や人生派の芸術も著るしくこの戯作者的気分を持っている。
— ――尾崎紅葉―― 『硯友社の勃興と道程』 青空文庫
ふとした悪戯気から辰の家とは知らずにお菊の下駄を抛り込んだり、障子に血の痕を付けて置いたりしたのが、大之進の運の尽きであった。
— 霙橋辻斬夜話 『早耳三次捕物聞書』 青空文庫
そこで持ち前の悪戯気を起こして、彼女の肉体に墨絵を描いて驚かしてやろうと決心し、機会を狙っていました。
— 小酒井不木 『メデューサの首』 青空文庫
世の中には随分悪|戯気の多い人もあるから、大に警察を騒がせて、草葉の蔭から笑ってやろうと計画する場合もあるだろう。
— 小酒井不木 『闘争』 青空文庫
文芸批評と自分の法名ばかりは、臍の緒切ってからまだ書いたことが御座りませぬからと一応御断りしようと思ったところ、オルチー夫人のサー・パーシー・ブレークネーではないが、持って生れた悪戯気分がむらむらと頭を持ち上げて、大胆にもこうして御茶を濁すことになったのである。
— 小酒井不木 『「二銭銅貨」を読む』 青空文庫
竹田になるとそんな悪戯気は、嘘にもあつたとは思はれず。
— 芥川龍之介 『雑筆』 青空文庫