遣り口
やりくち
名詞
標準
文例 · 用例
例えば有為の青年を金や権勢や義理合やでとって抑えて本人のあまり気のすすまぬ金持の養子にしたり、あるいはあまり適当でない地位に縛り付けたりする事があるとすれば、これはいくらかカラザン人の遣り口に共通なところがありはしまいか。
— 寺田寅彦 『マルコポロから』 青空文庫
これが江戸じゅうの評判になって、お紺は犬神使いだなどという噂もありましたが、種を割ってみれば今云ったようなわけで、唯その遣り口がめずらしいので、ちょっと世間をおどろかしただけのことですよ。
— 鬼娘 『半七捕物帳』 青空文庫
ところが今度は、逆に向う側が聯合して、あんたの望み放題の結婚になぞえに賛成して来ましたから、あんたはその遣り口がまた、気に入らないのでしょう。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
之れはしかし此国の裁判官としては普通の遣り口なのである。
— 平出修 『公判』 青空文庫
我々が夜具を丸めて疊むやうな遣り口を仕たならば、信長は決して秀吉を拔擢しなかつたらうと思はれる。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
我々が夜具を丸めて畳むような遣り口で秀吉が仕事をしたならば、信長は決して秀吉を抜擢しなかったろうと思われる。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
妻は母の遣り口を訴へて云ふ。
— 二葉亭四迷 『嫉妬する夫の手記』 青空文庫
それを承知しながら君の命を取ろうって云うのなら、なんぼなんでもあんまり残酷すぎるじゃありませんか――少くとも、君の仰言られた、「不正を悪くむ紳士方」にはふさわしくない遣り口ですよ……清水君、君は何か他に、僕には打ち明けなかったことで、あくまでも倶楽部の奴等から仇をされる様な覚えはないのですか。
— 渡辺温 『象牙の牌』 青空文庫