秘的
ひてき
名詞
標準
文例 · 用例
思ふに彼等は、夜の灯火といふものに対して、何かの或る神秘的なあこがれ、生命の最も深奥な秘密に触れてゐるところの、不思議な恋愛に似た思慕を感じてゐるにちがひない。
— 萩原朔太郎 『月の詩情』 青空文庫
その神秘的な意味を解かうとして、私は偏執狂のやうになつてしまつた。
— 萩原朔太郎 『散文詩集『田舎の時計 他十二篇』』 青空文庫
何と言ふか、情緒が濃厚でしかも神秘的であつて、あたかもポオの恋愛抒情詩の如く、それで東洋風の香気が強い。
— 萩原朔太郎 『蒲原有明に帰れ』 青空文庫
この恋の如く神秘的にして、本質的に音楽の情緒に近いものはない。
— 萩原朔太郎 『蒲原有明に帰れ』 青空文庫
そのがつしりした鉄のやうな腕は、すべての不健全なもの、非人倫的なもの、神秘的なもの、病感的なもの(もちろんその中には私の詩にみるやうな哲学も含んで居る)及び人生の幸福に有害なる一切の感情を弾きとばすことに熱して居る。
— 愛の詩集の終りに 『愛の詩集』 青空文庫
東洋が神秘的だなぞといふのはあまりに無邪気な言辞に過ぎぬ。
— 中原中也 『芸術論覚え書』 青空文庫
「物質的」に「精神的」は圧へられてゐるので、精神はスキマからチヨツピリ呟くから神秘的に見えたりするけれど、もともと東洋で精神は未だ優遇されたことはない。
— 中原中也 『芸術論覚え書』 青空文庫
油差しは、動揺のために、機械と機械との狭い部分に入り込むのに、神秘的な注意を払った。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫